【7月28日 AFP】法務省は28日、死刑囚2人の刑を執行したと発表した。死刑執行は中国国籍の1人を含む3人の刑が執行された前年7月以来で、前年9月の民主党への政権交代後では初めて。

 報道によると、執行されたのは、宇都宮市の宝石店で女性店員6人を焼き殺した篠沢一男(Kazuo Shinozawa)死刑囚(59)と、埼玉県熊谷市などで男女4人を殺傷した尾形英紀(Hidenori Ogata)死刑囚(33)。

 死刑廃止論者として知られる千葉景子(Keiko Chiba)法相は、執行に自ら立ち会ったことを明らかにするとともに、将来的に死刑執行プロセスの公開を進めていくと述べた。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は前年9月、日本では死刑囚が「残酷で非人道的、品位を傷つける」状態におかれているために、多数の死刑囚が精神障害を発症する危険にさらされているとの報告書を発表している。

 アムネスティによると、日本の死刑囚97人(当時)は、死刑が執行されるのかどうか、また、いつ死刑が執行されるのかわからない状態のまま、死刑執行の日を待つ毎日を送っている。この不安定な状況が、死刑囚に非常に大きな精神的ストレスを生み出していると指摘している。(c)AFP

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