【6月20日 AFP】イラク北部クルド自治区に拠点を持つクルド人武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)は19日、トルコ南東部の国境近くでトルコ軍を襲撃した。

 トルコ軍は、この襲撃でトルコ兵11人が死亡したが、反撃してPKK戦闘員12人を殺害したと発表した。また、トルコ軍機がPKKの標的とみられる場所を空爆したと、双方が発表している。

 19日の襲撃はトルコ軍にとって過去2年で最悪の事態となった。トルコ軍は、同日夜から20日朝にかけて国境を越えてイラク側に10キロほど進入し、この際に3人が死亡したと発表した。しかし当局は、死亡したのがPKKの戦闘員なのか、民間人なのかは明らかにしていない。

 トルコ軍は5日前の16日にも、トルコ南東部シルナク(Sirnak)県からイラク北部ドホーク(Dohuk)州に進入していた。PKKの報道官は18日にイラク・クルド自治区の区都アルビル(Arbil)でAFPの取材に応じ、16日に起きた武力衝突でPKKの戦闘員2人が死亡したと語った。

 この報道官は武力衝突の激化を受け19日、トルコ軍が軍事的圧力を強めれば、PKKはトルコ全土の都市に攻撃を加えるだろうと警告した。

 クルド人国家の樹立を目指すPKKは、トルコを含む多くの国に「テロ組織」とみなされている。トルコ政府は、PKKが武装蜂起した1984年以降、4万5000人以上が犠牲になったとしている。(c)AFP/Cat Barton