【12月30日 AFP】F77と呼ばれる抗体が、マウスの前立腺がん細胞を捕捉し、細胞死を促進する効果をもっていることが明らかになった。米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の研究者らが28日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)で発表した。

 研究によると、F77は、良性の組織・細胞よりも、がん性の前立腺組織に容易に付着しやすく、そのがん性組織の死を促進させるという。マウスでの実験では、F77は原発性前立腺がん組織の場合は97%、転移性前立腺がんの組織の場合でも約85%の割合で付着した。

 研究チームは、「F77は前立腺がん細胞の細胞死を促進し、効果的に腫瘍の成長を妨げる」とし、「将来的には、前立腺がんの診断や治療に活用されることが期待できる」としている。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、前立腺がんは、男性がかかるがんのうち2番目に多く、毎年世界中で50万人が死亡している。(c)AFP