【7月24日 AFP】北朝鮮で、風紀の乱れを正す政策の一環として、公共の場での女性のズボン着用が禁止され、スカート着用が義務付けられているという。

 韓国の対北援助団体「グッドフレンズ(Good Friends)」イ・スンヨン(Lee Seung-Yong)代表が、北朝鮮の消息筋情報として24日、AFPに明らかにした。違反した場合には、何時間にもおよぶ労働か、700ウォンの罰金が科せられる。700ウォンは、北朝鮮の一般的な労働者の週給に相当する。
 
 朝の通勤時間や昼休みの時間帯には、学生組織や女性団体の風紀委員が通りに立ち、ズボン姿の女性がいないか目を光らせているという。

 女性のズボンを禁止する根拠について、北朝鮮の公式ウェブサイト「わが民族同士(Uriminzokkiri)」は、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が、1986年に述べた「民族性は、言葉、礼節だけではなく、衣服にも表れるものだ」というコメントを引用している。

 この時、金総書記は「(上着とスカートから成る)女性の民族衣装チマチョゴリは、わが民族の誇りである」と述べ、女性のチマチョゴリ着用を奨励したという。

 だが、イ代表によると、ズボンよりも実用性に欠けるスカートは着用の義務化で、職場で不便を強いられている北朝鮮女性の間からは不満の声が聞かれるという。(c)AFP