【11月12日 AFP】景気減速による販売不振に加え、銀行や投資家からの資金集めにも窮している米自動車業界からは、来年1月20日のバラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領の就任まで持ちこたえられないとして、早急な公的資金の注入が必要だとの声が上がっている。

 7日には、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)と同フォード・モーター(Ford Motor)が相次いで厳しい四半期決算を発表し、両社の損失が2008年に入って約300億ドル(約3兆円)に上っていることが明らかになったことで、支援を求める声はさらに悲痛なものになっている。

 米自動車大手各社は、9月に議会を通過したものの実施はされていない、低燃費車開発のための250億ドル(約2兆5000億円)の政府融資では十分ではないとし、破たんを防ぐために、さらに250億ドルの公的資金の注入を求めている。特にGMは、手持ち資金があと数か月分しかないと警告している。
 
 オバマ次期大統領は、7日に行った大統領選後初の記者会見で、自動車産業は「米製造業の屋台骨」だと強調。議会とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権に対し、自動車業界への支援に向けた行動を取るよう求めていくと語った。

 オバマ氏は、11日のホワイトハウス(White House)での、ブッシュ大統領との私的な会談でも、大統領に対し、ただちに支援策を実施するよう促した。

 一方、米自動車業界の雇用の約4分の1を担うGMは、時間切れは近いと訴える。同社のリック・ワゴナー(Rick Wagoner)最高経営責任者(CEO)は11日、販売不振について言及し「米自動車業界全体は、政府の支援なしで生き残ることができるか疑問だ」と語った。

 また、たとえ政府による支援を受けたとしても。米自動車業界は生き残りをかけ「かなりの追加リストラ」が必要だろうとの見解を示した。(c)AFP/Amandine Ambregni