【3月6日 AFP】政府は6日、スーダン西部ダルフール(Darfur)地方の紛争解決を促すと同時に、05年に締結されたスーダン内戦の南北包括和平合意の定着を支援するため、同国の対日債務の一部を免除する方針を発表した。

 これに先立ち、オマル・バシル(Omar al-Beshir)スーダン大統領の側近で来日中のナフィア・アリ・ナフィア(Nafie Ali Nafie)大統領補佐官は、日本政府高官と複数の会談を行った。会談では日本側がダルフール紛争解決に向け働きかけていく方針が示された。 

 外務省高官はAFPの取材に対し「スーダンの対日債務を免除し、内戦後の和平プロセスを支援する可能性を検討している。これまでも日本政府は和平プロセスを支援してきた」と述べた。2005年に南北和平合意が成立するまでスーダンでは21年間にわたり内戦が続いていた。

 時事通信は同日、政府筋の談話として、日本側は債務免除に関する担当を設け、ダルフール紛争の平和的終結へ向けた具体的措置を取っていくと報じている。

 1983年、スーダン北部のアラブ・イスラム系民族が主導する中央政府と、南部の非イスラム系民族による南北内戦が勃発(ぼっぱつ)すると、日本政府は欧米諸国と歩調を合わせ、スーダンへの円借款を停止した。

 スーダンは1996年に世界銀行が発表したイニシアチブで、重債務貧困国(HIPC)42か国のひとつとして挙げられているが、これまでにパリクラブ(主要債権国会議)参加国からの債務免除を受けたことがない。時事通信によると政府は今回、スーダンの対日債務450億円のうち32億円を免除する方針だ。(c)AFP