【1月4日 AFP】北京(Beijing)市警察当局は、8月の北京五輪開催に向けて「洗練されかつ健全な」環境の創出を目指して、路上で物ごいをする人々を排除する計画を打ち出した。国営通信が3日、伝えた。

 北京晨報(Beijing Morning Post)によると、この計画では24時間態勢でパトロールが行われ、物ごいだけでなく路上での行商や無許可の三輪タクシーなども取り締まりの対象となる。

 警察当局は、とりわけ市内最大の道路である長安街(Chang’an Avenue)や6つの区域で取り締まりを重点的に実施し、違反の程度に応じて身柄の拘束を含めた罰を科すとしている。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、同市警察当局幹部のYu Hongyuan氏は計画について、「市のイメージを汚し治安に悪影響をもたらす違法な活動の根絶を目指しており、北京五輪に向けて『調和の取れた、洗練されかつ健全な』都市環境を創出する」ためと語っている。

 もっとも五輪開催に向けて、北京市がこのような計画を打ち出したのは今回が最初ではない。2007年3月にも北京市は同様の計画を打ち出していたが、目に見える効果はほとんど現れず、物ごいは依然として市内の風景の一部となっていた。

 かつては中国の都市で物ごいを見かけることはほとんどなかった。市内で見られるようになったのは、約20年前の経済改革と規制緩和によって農村部から大量の人々が都市へと流入して以降である。(c)AFP