【5月26日 AFP】米国防総省は25日、太平洋で24日に予定されていた長距離ミサイル迎撃実験を中止したと発表した。標的となるはずの模擬ミサイルに不具合が発生したため。

 ヘンリー・オーベリング(Henry Obering)ミサイル防衛局長は、「模擬弾が十分な高度に達しなかったので、迎撃システムは標的の危険性を認識せず作動しなかった」と述べた。その結果、予定されていた実験は行われず、今後「不具合の原因を明らかにする」調査が行われる。

 米国は現在、ロシア政府の強い反発にもかかわらず、東欧のポーランドとチェコにミサイル迎撃システムとレーダーシステムを配備する交渉を進めているが、この実験の失敗は計画そのものに打撃を与えることになると見られる。

 国防省の計画は、アラスカ(Alaska)州コディアク(Kodiak)島から発射された模擬ミサイルをカリフォルニア(California)州バンデンバーグ(Vandenberg)基地から発射する迎撃ミサイルで撃ち落とすというものだった。

 オーベリング局長は、「模擬弾は旧式の大陸弾道ミサイルを用いているため、この種のリスクは常に生じる」と語った。(c)AFP/Jim Mannion