【ワシントンD.C/米国 18日 AFP】印象派を代表する画家クロード・モネ(Claude Money)の作風は、晩年になるにつれより抽象的に変化していった。しかし、17日に発表されたある研究によると、これは作風の変化ではなくモネが煩っていた白内障によるものであるという。

■作風の変化、原因は白内障

 眼科医師でありスタンフォード大学(Stanford University)の教授を務めるマイケル・マーモー(Michael Marmor)教授が行った調査によると、モネ(1840-1926)と弟子のエドガー ・ドガ(Edgar Degas、1834-1917)は、後期の作品に影響を及ぼすほど深刻な目の病気に悩まされていた。

 「当時の画家たちは、すばらしく繊細な作品を生み出してきた2人の作品が、晩年はけばけばしく荒々しいタッチに変わってしまったと語っていた」とマーモー教授。

■画家にとっては致命的な目の病気

 マーモー教授は、当時の資料などを使用して「2人の画家の目から見えていた世界」を映したデジタルイメージを作り上げた。

 「網膜疾患のように、白内障は視界をぼやけさせる。色づかいと光の描写を得意とするモネのような画家の場合は、色を見る能力にも影響が出てしまう」とマーモー教授は語る。

 写真は、オランジェリー美術館(Musee de l’Orangerie)に展示されたモネの『睡蓮』連作(2006年5月2日撮影)。(c)AFP PHOTO/Wildenstein & Co.