【ダブリン/アイルランド 15日 AFP】「イルカにも方言がある」との可能性を示すユニークな研究結果が14日、アイルランド(Ireland)の研究チームによって発表された。

 研究チームはアイルランドの「シャノン・イルカと野生動物財団(Shannon Dolphin and Wildlife FoundationSDWF)」。チームは南西部シャノン(Shannon)河口付近に生息するバンドウイルカ(bottle-nose dolphin)約120頭の鳴き声(ホイッスル)を採取し、コンピューターでデジタル化して解析した。その上で、英国ウェールズ(Wales)のカーディガン湾(Cardigan Bay)のイルカの鳴き声と比較し、合計1882種類のホイッスル音を6つのタイプと32の分野に分けた。

 アイルランドとウェールズの2グループでは、ほとんどのホイッスル音が共通していたが、うち8種類のホイッスル音はアイルランドのイルカだけから聞かれたという。

 チームでは、ホイッスル音の分類カタログを作成している。研究チームのリーダーで海洋生物学者のサイモン・ベロー(Simon Berrow)氏は、「カタログを作成するのは、イルカの狩り、休憩、社交、コミュニケーションなどの行動と、鳴き声の種類の対応関係を調査するため。本質的には『イルカ語(鳴き声)の辞書』を作っているともいえる」と語った。

 イルカの鳴き声はコミュニケーションのために用いられるホイッスル音のほか、逃げ道を探ったりえさの位置を特定したりするのに使われるクリックス音もある。

 写真は、地中海を泳ぐイルカ(2002年8月19日撮影)。(c)AFP/DOMINIQUE FAGET