【6月12日 AFP】大規模な反政府デモが続くトルコで11日、デモの中心地となっているイスタンブール(Istanbul)のタクシム広場(Taksim Square)に機動隊が突入し、花火を投げつけるデモ隊に向けて催涙ガスを一斉噴射した。これに先立ってレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は、イスラム教徒の支持を受けて自らが率いる政府に抗議する一連のデモについて「もう我慢できない」と警告していた。

 デモが始まって12日目を迎えたこの日の日没ごろには、同広場は戦場と化し、鼻を突く煙がまん延する中、「エルドアン、辞任せよ!」、「レジスタンス!(抵抗の意)」と叫ぶ数千人のデモ隊が警官隊と衝突した。小規模ながら数か所で火の手も上がり、AFP記者によると少なくとも数十人が負傷していたという。

 この日の早朝同広場へ機動隊が突入した際、デモ隊の多くは隣接するゲジ公園(Gezi Park)でまだ眠っており、またその数時間前にはエルドアン首相がデモ隊の代表者と12日にも会談すると発表し、デモが始まって以来初めて明らかな譲歩姿勢を示した直後だったため、デモ隊は不意を突かれた格好となった。

 しかし同日その後、エルドアン首相はデモ隊との対話について言及することはなく、10年を超える在任期間中で最大の難局をもたらしたデモ隊に対する強硬姿勢を再び前面に出した。同首相は自らが率いる公正発展党(AKP)の議員から支持の声が上がる中、「この話はもう終わりだ。これ以上我慢できない」と発言する様子がテレビで生中継された。(c)AFP/Ceren KUMOVA