【5月24日 AFP】スロバキアのロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相(59)が銃撃され重傷を負った事件で、容疑者が犯行の動機として、政府が隣国ウクライナへの軍事支援の停止などを挙げていることが23日、AFPが入手した司法文書で明らかになった。容疑者は犯行を後悔しているという。

 フィツォ氏は15日、中部ハンドロバ(Handlova)で行われた会合の会場付近で支持者にあいさつ中、4発の銃弾を受けて重傷を負い、同じく中部バンスカービストリツァ(Banska Bystrica)の病院で長時間にわたる手術を2回受けた。

 フィツォ氏の容体について、病院は23日、依然として深刻だが安定していると発表した。

 同国メディアは計画的殺人未遂の疑いで逮捕・訴追された容疑者の身元について、詩人のユライ・チントゥラ(Juraj Cintula)容疑者(71)だと報じている。裁判所は18日、容疑者を勾留する決定を出した。

 AFPは22日、ペジノク(Pezinok)の特別刑事裁判所の報道官から勾留決定に関する記録を電子メールで入手した。

 これによると、容疑者は「現政権の政策に同意できず、行動を起こすことにした」と供述している。具体的には、特別検察庁の廃止や、ウクライナへの軍事支援の停止などが不満だったという。

「殺害するつもりはなく、けがをさせて健康を損ないたかったので、胴体下部を狙った」と繰り返しているという。

 予審判事は「容疑者は自分の行動が完全に不当だったこと、被害者に危害を加えるべきでなかったことを自覚している」「自分の行動を心から後悔している」と記している。(c)AFP