【11月28日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は27日、シリア軍によるクラスター爆弾の使用中止を呼びかけた。

 25日にシリアの首都ダマスカス(Damascus)の南の町デイル・アサフィル(Deir Assafir)が空爆され、少なくとも11人の子供が死亡したことについてHRWのメアリー・ウェアラム(Mary Wareham)武器部門アドボカシー・ディレクターは、「この攻撃は、クラスター爆弾が民間人と軍人を区別せずに人を殺すことを示している」と述べた。

 ウェアラム氏はさらに「民間人に壊滅的な被害をもたらしたクラスター爆弾は、いつどこで誰によっても使われるべきではない」と述べ、シリアの同盟国を含む全ての国の政府は、国際法で使用が禁じられているクラスター爆弾をシリアが継続して使用していることを非難すべきだと主張した。

 HRWが引用した目撃者の話によると、約20人の子供がいつも遊んでいた広場に集まっていたときに空爆が行われたという。シリアの活動家らが26日にインターネットで公開した動画には、血まみれになって体を伸ばした幼い女の子2人の遺体と、3人の幼い男の子が写っていた。この動画のカメラマンは「2012年11月25日、ミグ(MiG)戦闘機1機がデイル・アサフィルにクラスター爆弾を投下した」と話した。カメラマンの身元は特定されていない。

 クラスター爆弾は紛争終了後も人命を奪ったり重傷を負わせることがあり、幾つかの国際人権団体はクラスター爆弾を使用したとしてシリア政府を批判している。国連(UN)のジェフリー・フェルトマン(Jeffrey Feltman)事務次長は6日、シリア軍が反体制派との戦闘でクラスター爆弾を使用している信頼できる証拠があると語っていた。

 シリアはクラスター爆弾の使用禁止や不発弾の除去、犠牲者への支援などを定めたクラスター爆弾禁止条約(Convention on Cluster Munitions、オスロ条約)」を批准していない。(c)AFP