【6月11日 AFP】ミャンマーの国営テレビは10日夜、テイン・セイン(Thein Sein)大統領が仏教徒とイスラム教徒の衝突が相次ぎ死者も出ている同国西部のラカイン(Rakhine)州に非常事態を宣言し、治安対策の強化を命じたと報じた。

 同州では仏教徒女性がイスラム教徒に暴行され殺害されたことに端を発する報復の応酬とみられる襲撃事件が相次いでいる。3日には女性を暴行した男たちが乗っていると誤解した仏教徒たちがバスを襲撃して10人のイスラム教徒を撲殺した。8~9日には仏教徒の村の住宅数百軒が放火され合わせて7人が死亡した。

 ラカイン州の住民は主に仏教徒だが、国連(UN)が世界で最も迫害された少数民族だとしているロヒンギャ(Rohingya)人など相当数のイスラム教徒も暮らしている。ラカインという州名は仏教を信仰している民族グループの名称から取られたものだ。

 ミャンマー政府はロヒンギャ人を自国の民族ではなく外国人だと見なしている一方、多くの市民は不法移民として敵意を持って見ている。(c)AFP

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