【2月4日 AFP】インドネシア海軍は3日、数隻の小舟でスマトラ(Sumatra)島沖を漂流していたミャンマーのイスラム教徒の少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の男性約200人を2日、保護したと発表した。

 これによると、難民たちは保護を求めてタイに漂着したが、殴るなどの暴行を受けたあと、10隻ほどの木製の小舟に乗せられ沖に流され、水や食料がないまま3週間ほど漂流していたという。

 これまでにも複数の国際人権団体が、前年末にタイ沿岸部に上陸したロヒンギャ難民約1000人が、わずかの食料とともに小舟に分乗させられ、海上に放置されたと主張している。

 救助されたあと東アチェ県(East Aceh)の病院に収容されたあるロヒンギャ難民の男性(43)は、仲間1000人あまりとともにタイ軍兵士に身柄を拘束された後、孤島に連行され、2か月後にロープで繋がれた小舟数隻に分乗させられ沖合いに放置されたという。

 この男性は「水も食料もないので毎日のように誰かが死に、私が乗っていた小舟では漂流中に約20人が死んだ。遺体は祈りを捧げた後、海に流した。その後漁船に発見されインドネシア海軍に引き渡された」とAFPに語った。

 前月にインドネシアやインド沖で漂流しているところを発見されたロヒンギャ難民650人あまりに上った。このほかにも多数のロヒンギャ難民が現在も漂流していたり、すでに死亡したとみられている。

 タイ政府はロヒンギャ難民への暴行や海上放置を激しく否定しているが、前月7日にスマトラ沖で保護されたロヒンギャ難民174人も、同様の証言をしており、タイ政府への非難が高まっている(c)AFP