【4月5日 AFP】バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権による反体制派の弾圧が続くシリアで5日、政府軍と反体制派が首都ダマスカス(Damascus)近郊で激しく衝突していると人権団体が伝えた。

 英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、同日夜明けから戦車を伴った政府軍部隊が首都の北東13キロにあるドゥマ(Duma)に猛攻撃をかけており、市内各地で衝突が起きているという。

 アサド大統領は2日、今月10日を期限として反体制派拠点から軍を撤退させることで国連(UN)とアラブ連盟のシリア特使、コフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長と合意した。だが、2日以降だけでも既に170人以上が各地の衝突で死亡。米政府は、アサド大統領が停戦に合意しながら暴力を「激化」させたと強く非難している。

 一方、隣国トルコによれば、4日~5日の1日で計1043人のシリア人が国境を越えてトルコ側に逃れており、同国内のシリア難民は2万1000人近くに上っている。(c)AFP

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