【5月30日 AFP】29日、イエメン南部アビヤン(Abyan)州の州都ジンジバル(Zinjibar)を、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系とみられる武装集団200人あまりが制圧した。治安当局によると、ジンジバルでは武装集団との戦闘で21人が死亡した。

 これに対し、反体制派支持を表明しているイエメン軍のアリ・モフセン・アフマル(Ali Mohsen al-Ahmar)将軍は、アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領が「武装テログループにアビヤンを手渡した」と非難する声明を発表。軍兵士らに「平和的な市民革命」に加わり、アビヤンで「テロリスト」と戦うよう呼びかけた。

 政府軍のうち、首都サヌア(Sanaa)の一部を掌握したアフマル将軍らのグループは、サレハ大統領の退陣を求める市民運動への支援を表明している。だが、共和国防衛隊(Republican Guards)などサレハ一族が司令官を務める精鋭部隊は、大統領への忠誠を崩していない。

 一方、イエメン第2の都市、南部タイズ(Taez)では29日、拘束されたデモ参加者の解放を求め警察署前に集まった約3000人に警官隊が発砲し、4人が死亡、数十人が負傷した。(c)AFP/Jamal al-Jaberi

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