【5月29日 AFP】イエメン南部、アビヤン(Abyan)州の州都ジンジバル(Zinjibar)で27日から、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を名乗る銃を持った200人以上と治安部隊の間で激しい戦闘になっている。

 多くの家族がジンジバルを逃れ、同国南部の港湾都市アデン(Aden)に避難した。その1人はAFPに、ジンジバルは武装集団に支配され、彼らは自分たちはアルカイダから来たと言っていると語った。

 目撃者によると、武装集団は第25機械化旅団を包囲し、29日朝も第25機械化旅団との間で激しい戦闘になったという。ジンジバルにあるそれ以外の政府機関は全て武装集団の管理下に置かれたという。

 電話がつながった第25機械化旅団の士官はAFPに対し、仲間を殺した武装集団に投降するようなことはせず、銃弾が尽きるまで戦うと語った。

 別の士官2人によると、27日に兵士5人と民間人1人が殺害されたという。これとは別に現地の住民たちが兵士10人の遺体を見たと話していることから、これまでに少なくとも16人が死亡したとみられる。ある目撃者は匿名を条件に、武装集団は投降してきた複数の兵士を殺害したと語った。

 イエメンの野党連合コモン・フォーラム(Common Forum)は、アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領が自らが組織した武装集団をジンジバルに送って、国内外にあるアルカイダへの不安を利用しようとしているとして、サレハ大統領の「犯罪的なたくらみ」を批判するとともに、あらためて同大統領の即時辞任を求めた。(c)AFP/Fawaz al-Haidari