【4月21日 AFP】フランスとイタリアは20日、リビアの反体制派が拠点としている同国東部に軍事顧問団を派遣することを決定した。英国も19日にリビアへの軍事顧問団派遣を発表している。

 政府軍が6週間以上にわたって包囲しているリビア西部の都市ミスラタ(Misrata)の反体制派指導者たちは、戦闘の犠牲者が1000人を超える中で、外国軍の援軍を必死に求めていた。

 しかし英仏伊は、西部ではなく東部にごく少人数を派遣して反体制派への戦略的助言を行うのみで、戦闘は目的としていないと強調している。

 仏外務省報道官は、「フランスはベンガジ(Benghazi)への特使団と共に、少数の連絡将校を派遣した。使命は国民評議会(Transitional National CouncilTNC)との連絡役だ。もっと具体的な目標は、TNCに技術面、ロジスティック面、組織面から助言することで、民間人の防衛を強化し、人道援助や医療援助の分配を向上させることだ」と述べた。

 フランソワ・バロワン(Francois Baroin)仏政府報道官は「派遣されたのは10人以下」と述べ、「どんな形でも戦闘部隊を現地派遣することは考えていない」と断言した。

 これに先だって英国も19日、リビア反体制派に助言するために顧問団を送ると発表した。ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相はロンドンで行った会見で、12人の軍事顧問団を派遣すると発表したが、やはり反体制派の軍事訓練や武装援助、あるいは作戦策定を支援することはないと強調している。

 一方、イタリアのイニャツイオ・ラルッサ(Ignazio La Russa)国防相も、反体制派を支援するために10人の顧問団を送ると発表、「反対派に訓練が必要であることについては、はっきりとした認識がある」と述べた。

■米国は20億円相当の直接支援

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は報道官を通じて、リビア反体制派を支援するために軍事顧問団を派遣するという同盟国の動きを支持すると表明したが、米国としては軍を派遣する計画はないと改めて表明した。

 ただし、AFPが20日入手したある米外交官から米議員に宛てた書簡によると、オバマ大統領はリビア反体制派に、2500万ドル(約20億円)規模の緊急支援を殺傷力のない内容で行う計画だ。ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官はこれについて、支援物資は米政府の在庫から提供するもので「医療品や衣服、テント、防弾チョッキ、ラジオ、食品など」だと説明した。(c)AFP/Marc Burleigh