【3月16日 AFP】バーレーンの首都マナマ(Manama)近郊で15日、反体制デモ隊に治安部隊が発砲し、地元医師によると少なくとも200人が負傷した。また、ほかの街でも双方の衝突が発生し、2人が死亡した。

 同日、ハマド・ビン・イサ・ハリファ(Hamad bin Issa al-Khalifa)国王は国営テレビを通じ、全土に3か月間の非常事態宣言を発令した。同国はこれより前、反体制デモの鎮圧のためとして、6か国からなる湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC)に支援を要請し、軍を招き入れていた。

 マナマでは同日、数千人規模のデモ隊が、反ハマド国王の旗を掲げ、「占領軍」から国を守るといった内容のスローガンを叫び、同国に軍を派遣したサウジアラビアの大使館に向けて行進した。デモ隊は同国の多数派であるイスラム教シーア派(Shiite)と少数派スンニ派(Sunni)の結束も呼びかけた。なお、複数の目撃者が、現場には警官や外国軍兵士の姿は見られなかったと話した。

 だが、マナマ南方のシーア派が多いシトラ(Sitra)では、治安部隊がデモ隊に発砲する事態に発展した。地元医師はAFPの電話取材に対し、200人以上が散弾銃で撃たれて負傷し、病院に運ばれてきたと話した。ほかにも、催涙ガスを吸引して200人以上が病院で治療を受けたとの情報もある。

 さらに、同国南部の2か所でもデモ隊と治安部隊が衝突し、シーア派のデモ参加者1人と治安部隊員1人が死亡した。

 同国のシーア派聖職者らは、反体制派は「大量虐殺」の標的にされる可能性があると警告を発し、イスラム社会と国際社会に支援を求めている。(c)AFP/Ali Khalil

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