【11月7日 AFP】(一部更新)インドネシア・バリ(Bali)島で2002年に起きた爆破テロ事件で死刑判決を受けたイスラム過激派死刑囚3人の家族に対し、検察当局が「心の準備をするように」と伝えていたことが分かった。インドネシア当局が7日、明らかにした。

 刑が執行されるとみられるのは、同事件主犯格のアムロジ(Amrozi)死刑囚(47)と共犯者のアリ・グフロン(Ali Ghufron)死刑囚(48)、イマム・サムドラ(Imam Samudra)死刑囚(38)の3人。

 東ジャワ(East Java)地検主任検察官は、アムロジ死刑囚とアリ・グフロン死刑囚の実家を訪れ家族と30分ほど話した後、「死刑執行に備えて心の準備をしておくようにと伝えただけだ」と記者らに語った。西ジャワ(West Java )にあるサムドラ死刑囚の実家には6日夜にすでに検察官が訪れていた。

 刑の執行日は「11月初旬」とされており、3人は近く銃殺刑に処せられるとみられている。

 観光客らでにぎわうリゾート地のナイトクラブなどを狙った2002年のバリ島爆弾テロでは、オーストラリア人など多数の外国人観光客を含む202人が犠牲となった。

 事件の主犯および共犯として、アムロジ死刑囚ら3人に2003年、死刑判決が下されたが、被告側が数度にわたり上訴したことや宗教的配慮から、何度も延期されてきた。

 爆破テロについて、アムロジ死刑囚らは、米軍のアフガニスタンおよびイラク攻撃への報復だったと主張している。

 通常インドネシアでは、死刑は深夜に銃殺で行なわれる。執行場所は公開されない。少なくとも3日前までに、死刑囚に執行日が知らされる。

 3人が収容されているジャワ(Java)島南方沖のヌサカンバンガン(Nusakambangan)島刑務所には、3人の遺体を移送するヘリコプターも待機している。陸路で移送するとイスラム過激派を刺激し、「聖戦」を誘発する恐れがあるからだ。

 死刑囚らを支持する狂信的なグループがなんらかの行動を起こす恐れもあるため、インドネシア全土で警戒態勢が強化されている。(c)AFP/Arlina Arshad