【11月5日 AFP】イスラエル軍が4日夜から5日朝にかけてパレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)に進入し、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)と戦闘になった。ハマスによれば、軍事部門イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades)の戦闘員6人が殺害された。

 イスラエルの発表によれば、ガザ地区との境界から250メートルの場所にあるトンネルがイスラエル兵の誘拐に使われるとの情報に基づき、同国軍が4日夜ガザ地区に進入したと発表した。イスラエル側の発表によれば、工兵隊と空軍の支援を受けた空挺部隊を進入させたところトンネルの上の構造物から攻撃を受けたため応戦し、数人を殺害し、イスラエル側の4人が軽傷を負った。一方のハマスは、この戦闘でハマス側の戦闘員1人が死亡し、3人が負傷したとしている。

 その後イスラエル軍の空爆によってハマス側にさらに5人の犠牲者が出た。イスラエルは迫撃砲の攻撃地点を狙った空爆だったとしている。

 ハマスは4日夜の軍事的な攻撃の報復として、軍事部門が4日夜から5日朝にかけて、ガザ地区からイスラエル南部に向けてロケット砲と迫撃砲あわせて53発を発射したと発表した。

 パレスチナとイスラエルは、6月19日に発効した停戦を破ったとして互いに非難している。停戦発効後もガザ地区からイスラエルに向けて迫撃砲などによる散発的な攻撃はあったが、今回の攻撃は停戦発効後、もっとも規模の大きい武力衝突となった。

 ガザ地区からの攻撃に対し、イスラエルはガザ地区との境界を一時封鎖した。ガザは食料などの生活必需品を外部からの輸入に頼っている。

 AFPの集計によると、前年11月に米国のアナポリス(Annapolis)で中東和平のための国際会議が開催された後だけで、少なくとも545人が死亡している。そのほとんどがパレスチナ人だ。(c)AFP/Sakher Abu El Oun