【8月25日 AFP】26日に開幕する全米オープン(The US Open Tennis Championships 2013)の女子シングルスでは、世界ランク1位のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が優勝候補とみられているが、ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)を筆頭に、ライバルたちがその行く手を阻もうとしている。

 前年覇者のセレーナは、今大会で通算17度目となる四大大会(グランドスラム)タイトルの獲得を目指している。連覇を達成すれば、大会通算5度めの優勝となり、クリス・エバート(Chris Evert)氏が持つオープン化後の全米オープンでの最多優勝記録にあと1勝と迫る。

「望んでいた以上の試合数を消化することができたので、全米オープンへ向けた準備はできている」とセレーナは語る。

 現在31歳のセレーナは、2012年にウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2012)、ロンドン五輪、全米オープンを制し、今年は全仏オープン(French Open 2013)で優勝するなど、過去14か月間のシングルス通算成績は77勝4敗を誇り、驚異的なパフォーマンスを見せている。

 しかし、その4敗のうち2敗を喫した相手は、2月のカタール・トータル・オープン(Qatar Total Open 2013)と、先日のウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2013)で優勝したアザレンカだった。

 過去のグランドスラム9大会で、2人合わせて7個のタイトルを手にしているセレーナとアザレンカは、前年大会の決勝で対戦しており、今大会でも同じカードが再現されるかもしれない。

 セレーナはアザレンカと良いライバル関係を築いていると明かしており、コートではライバル同士でも、試合の外ではいい友人だと語っている。

「コートの中のビクトリアは獣みたいに激しい。そして私もそれは同じ。ピットブルみたいだと父に言われていたわ」

 セレーナは今大会でシーズン9勝目が懸かっているが、グランドスラムではその実力を十分に発揮できておらず、全仏ではマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)を破り優勝したものの、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2013)では準々決勝でスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)に、ウィンブルドンでは4回戦でザビーネ・リシキ(Sabine Lisicki、ドイツ)に敗れている。

 今大会で第3シードになるはずだったシャラポワは、肩の故障を理由に欠場を発表した。この結果、アニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska、ポーランド)が第3シードに繰り上がり、サラ・エラーニ(Sara Errani、イタリア)、李娜(Na Li、ナ・リー、中国)、カロリーネ・ボズニアツキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)、ペトラ・クヴィトバ(Petra Kvitova、チェコ)、アンジェリーク・クルベール(Angelique Kerber、ドイツ)が順に続いている。

■前哨戦での優勝を引っさげて全米に挑むアザレンカ

 今年の全豪オープンを制したアザレンカは、セレーナとのこれまでの対戦から、多くを学んできたと話している。

「セレーナとの試合で厳しい敗戦を喫したことはあった。しかし、それらを通じて多くを学び、改善してきた。自分のプレーはますます良くなっている。肉体的にも、精神的にも、技術面でもレベルアップしているし、その自分の成長が一番嬉しい」

 アザレンカはウェスタン&サザンオープンの優勝で自信がついたと話しているが、それでも米国出身のセレーナが地元で優勝する可能性が高いとの見解を示した。

「私は優勝候補じゃない。セレーナは世界1位だし、偉大なチャンピオン。そして前年覇者でもある。だから彼女が優勝候補よ」

「誰が2番手、3番手の対抗馬なのかはどうでもいい。だけど優勝した直後に全米オープンに出るのは自信になる。厳しい試合も、高いレベルで戦い続けていると感じさせてくれるから私には大事。それを今大会で楽しみにしているの」

(c)AFP/Jim SLATER