【8月16日 AFP】イランサッカー界を代表するMF、アリ・カリミ(Ali Karimi)選手(31)が、イスラム教の「ラマダン(断食月)」を守らなかったとの理由で、所属するテヘラン(Teheran)のクラブチームを解雇された。クラブ側が公式サイトで15日、明らかにした。

 スティール・アジンFC(Steel Azin FC)は解雇理由について、カリミ選手はクラブの指示に従わず、ラマダンの断食を行わなかったうえ、イランサッカー協会の役員やクラブのフロント幹部を侮辱したと説明している。

 一方、カリミ選手は、イラン学生通信(ISNA)に対し「ぼくはイスラム教徒であり、その教義を信仰している」と述べ、協会役員を侮辱したり間違った行為はしていないと反論している。

 これに先立ってカリミ選手は、自身のウェブサイトに掲載されたインタビューの中で、革命防衛隊(Revolutionary Guards)の元隊員だった同クラブの社長の経営方針を批判していた。

 ISNAによると、スティール・アジンの会長は状況を知らされておらず、カリミ選手の解雇に反対の意を示しているという。

 イランでは「アジアのマラドーナ」との異名を持つカリミ選手は、代表キャップ数でイラン第2位、代表チームでのゴール数もイラン歴代3位を誇る人気選手。ドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に2シーズン所属し、50試合で4ゴールを決めているほか、2004年にはアジア・サッカー連盟(Asia Football ConfederationAFC)の年間最優秀選手に選出された。(c)AFP