【9月30日 AFP】13MLBは29日、各地で試合が行われ、レギュラーシーズン最終戦のデトロイト・タイガース(Detroit Tigers)戦に登板したマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)のヘンダーソン・アルバレス(Henderson Alvarez)がノーヒットノーランを達成した。試合はマーリンズが1-0のサヨナラでタイガースを下した。

 ベネズエラ出身の23歳、右腕のアルバレスは、9回で投げた99球のうちストライクを66球集め、4奪三振、2つの四死球を与え、野手の失策のため三塁までは走者を許した。

 マーリンズは8回を終わって走者を1人もかえすことができなかったが、両チーム無得点で迎えた9回裏、アルバレスの快投は奇妙かつ劇的な形で報われた。

 マーリンズは9回1死、タイガースの4番手ルーク・プトゥコネン(Luke Putkonen)からジャンカルロ・スタントン(Giancarlo Stanton)が中堅へ安打を放って出塁。続くローガン・モリソン(Logan Morrison)も安打で続くと、プトゥコネンの暴投でそれぞれ二、三塁に進塁した。

 打者のアデイニー・ヘチャバリア(Adeiny Hechavarria)はゴロに打ち取られたものの、続くクリス・コグラン(Chris Coughlan)が四球を選んで二死満塁となったところで、打席には代打のグレッグ・ダブス(Greg Dobbs)が立った。

 すると、プトゥコネンの投じた球は再び暴投となり、ボールがバックネット方向へ転々とする中、スタントンが三塁から生還した。1点をもぎ取ったマーリンズの選手はベンチを飛び出し、アルバレスをもみくちゃにした。

 アルバレスはその時ネクストバッターズサークルで打順を待っていたが、マーリンズのサヨナラ勝ちとチーム史上5人目のノーヒットノーラン達成が決まった瞬間、跳びはねて喜びを表した。

 アルバレスは今季、右肩の炎症で3か月出遅れ、初先発は7月4日だった。マーリンズにとっては、2006年にアリゾナ・ダイヤモンドバックス(Arizona Diamondbacks)戦でノーヒットノーランを記録した、アニバル・サンチェス(Anibal Sanchez)以来の快挙達成となった。

 今季はレギュラーシーズン100敗という悲惨な成績に終わったマーリンズは、オーナーがシーズン終了を待たず、今週末に球団幹部を解任し、別のフロントの人間2人を昇格させていた。

 一方、レギュラーシーズン最後のシリーズで3連敗を喫したタイガースは、今季の試合がまだ残っており、今週の後半にはア・リーグのプレーオフが待ち受ける。

 タイガース先発のジャスティン・バーランダー(Justin Verlander)は6回を投げて10三振を奪い、マーリンズの打者を最後の瞬間までやきもきさせるのに一役買った。

 その一方で、打者としては今季24打数無安打に終わっているバーランダーは、アルバレスからあわや初安打という打球を放った。バーランダーが6回に放った打球は一塁線に沿って伸びたが、スタントンの守備範囲のわずかに先のファウルゾーンに落ちた。バーランダーはその後、三振に切って取られた。(c)AFP