【7月3日 AFP】ロシア極東地域のウラジオストク(Vladivostok)とルースキー(Russky)島をつなぐ世界最長の斜張橋の完成式典が、2日行われた。

 東ボスポラス(Eastern Bosphorus)海峡にかかる橋は、主塔間の距離は1104メートル。極東地域の活性化を狙い、巨額の予算が投入された。

 式典には、9月に同地域で開催されるアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)首脳会議の準備状況を視察に訪れているドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相も出席した。

 湾岸都市ウラジオストクを「ロシア版サンフランシスコ(San Francisco)」に変えるという旧ソビエト連邦時代からの構想を実現すべく開始された橋の建設には、200億ドル(約1兆6000億円)もの予算が投入された。同地域に大規模な投資を集め、影響力を増す中国に対抗する狙いがある。

 APEC首脳会議の準備には数々の問題が影を落としている。特に大幅に予算を超過したことは、ロシアの経済成長を誇示するための無駄遣いと官僚主義が強調されているようにしかみえない。
 
 この橋では建設の最終段階にあったこの冬に大規模な火災も発生した。批判的な国内メディアは「どこへも続かない橋」とやゆしている。(c)AFP