【4月26日 AFP】パキスタン最高裁は26日、ユサフ・ラザ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相に法廷侮辱罪で有罪判決を言い渡した。

 ギラニ首相は、スイスの銀行口座を利用したアシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領の汚職疑惑で、審理の再開を要請するスイス当局宛ての書簡を書くよう求めた最高裁の命令を拒否したことから、法廷侮辱罪で起訴されていた。

 今後は、パキスタンの首相としては在任期間が最長となるギラニ氏が、首相の座を追われる可能性が焦点となる。ギラニ首相が失職すれば、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の問題を抱えるパキスタンの政治的混迷がさらに深まることになる。

 パキスタンの憲法は、法廷を侮辱したり愚弄(ぐろう)した罪で有罪判決を受けた者が議員になることを禁じている。だが法律の専門家らは、ギラニ首相の議員資格を剥奪する場合、国民議会の議長や選挙管理委員会らも加わるため、手続きが長期化する可能性があると指摘している。(c)AFP/Nasir Jaffry

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