【2月13日 AFP】パキスタン最高裁は13日、法廷侮辱罪でユサフ・ラザ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相を起訴した。パキスタンで現職首相が起訴されるのは初めて。出廷したギラニ首相は罪状を否認したが、有罪なら禁錮6月に相当し、首相の座も追われることになる。

 最高裁は過去2年間にわたり、アシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領と妻の故ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相が1990年代にスイスの銀行口座を使って汚職で得た約1200万ドルを資金洗浄していた疑惑をめぐり、スイス当局に審理再開を要請する手紙を書くようパキスタン政府に求めていた。だが政府が応じなかったため今回、ギラニ首相起訴に踏み切った。

 パキスタンでは政府と司法の長引く対立で政情不安が高まっている。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)や隣国アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)による暴力に悩まされる中で、数か月以内にも前倒し選挙が実施されるとの見方も出ている。(c)AFP/Nasir Jaffry