【12月13日 AFP】防衛省が、次期主力戦闘機として米航空宇宙大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)社製のF35ステルス戦闘機を採用する方針を固めたと13日の日本の各紙が報じた。

 読売新聞(Yomiuri Shimbun)によると、防衛省は、F4戦闘機の後継となる次世代機を、ユーロファイター・タイフーン(Eurofighter Typhoon)と米航空機大手ボーイング(Boeing)のFA18スーパーホーネット(Super Hornet)、F35の3機種に絞って検討していたが、F35を選定する方針を固めたという。

 読売新聞によると、防衛省はF35選定の方針を固め、16日に開かれる野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相を議長とする安全保障会議で正式決定されるという。

 共同通信(Kyodo News)は、匿名の政府筋の話として、日本政府は最終的に約40機を調達すると報じている。また、日本経済新聞(Nihon Keizai Shimbun)はF35の採用が「最有力」とだけ報じている。

 防衛省の報道官は13日、報道にコメントすることを拒否し、年末までに最終決定をするために最善を尽くしているところだと述べた。また、ダウジョーンズ・ニューズワイヤーズ(Dow Jones Newswires)は、藤村修(Osamu Fujimura)官房長官が最終決定されたとの報道を否定したと伝えた。

 F35は、米国防総省が史上最高額の開発資金を投じた兵器計画で、費用超過や技術的問題に見舞われていた。英航空防衛機器大手BAEシステムズ(BAE Systems)と共同開発したF35は、防衛省が候補にあげていた3機種の中で最も高価で、1機あたりの価格は推定1億1300万ドル(約88億円)。

 日本は当初、次期主力にF22ステルス戦闘機を検討していたが、米国法で輸出が禁じられている上、米国は同型機の生産を中止すると発表していた。(c)AFP