【6月29日 AFP】(写真追加)キューバ訪問中の今月10日、ハバナ(Havana)で緊急手術を受けたベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領(56)が28日、キューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長(84)と共に、手術後初めてテレビに登場した。

 屋外でのシーンでチャベス大統領は、やや痩せたようには見えたものの、カストロ議長の横に立ち、いつもと同じ快活な様子で話していた。また屋内でカストロ議長と一緒に28日付のキューバ共産党機関紙グランマ(Granma)を読む姿も映し出された。

 キューバ国営放送が放送したこの録画映像はベネズエラでも放映された。チャベス大統領の重体説を払拭する狙いがあったとみられる。

 一方、チャベス氏が不在のベネズエラでは、同氏の明確な後継者がいないことがあらためて明らかになった。チャベス大統領が帰国する時期は依然として発表されていない。その間もベネズエラでは電力不足が悪化し、刑務所では死者も発生する暴動が起き、米国からは新たな制裁をちらつかされている。

 しかし政府はまるで不意打ちにあったように、これらの事態に対応し切れていないと、ベネズエラ中央大学(Central University of Venezuela)の政治学者アンヘル・アルバレス(Angel Alvarez)氏は指摘する。それでも政府はチャベス大統領の名の下に施策を実行しており、閣僚たちは大統領の指示に従っていると述べている。(c)AFP

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