【4月27日 AFP】インド北部ダラムサラ(Dharamshala)にあるチベット亡命政府の首相を選ぶ選挙は27日、米ハーバード大学(Harvard University)の研究員、ロブサン・センゲ(Lobsang Sangay)氏(43)が当選した。

 亡命政府の選挙管理委員会によると、国際法が専門のセンゲ氏は55%の得票を得て、2人の対立候補を大差で破り当選した。インドおよび海外在住の亡命チベット人8万3400人のうち、4万9000人以上が投票に参加したという。

 インド北東部生まれで、生涯で一度もチベットを訪れたことがないセンゲ氏の当選は、年配の宗教関係者が占めてきた過去の亡命政府の政治との決別を意味する。

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(75)が、政治的指導者の地位から退く意向を表明していることから、政治的な権限は新首相に移譲される見通しだ。

 このため、チベットの精神的指導者の地位は引き続きダライ・ラマにあるが、センゲ氏には、これまでの首相以上に重要な役割を担うことになる。

 センゲ氏は、チベットの独立ではなく、ダライ・ラマの中道路線を継承した「意義ある自治」を求めていくことを明言している。(c)AFP/Lobsang Wangyal

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