【4月26日 AFP】オーストラリアのジュリア・ギラード(Julia Gillard)首相は26日、訪問先の中国で記者団に対し、温家宝(Wen Jiabao)首相との会談で中国に対するさまざまな人権上の懸念を中国側に伝えたと述べた。

 温首相との会談を終えたギラード首相は記者団に対し、「少数民族の扱いや、信教の自由をめぐる疑義、それに最近報道された人権活動家のことなど、わたしとオーストラリアが持っている懸念を伝えた」と語った。温首相は「人権について中国は後退していない」との考えを示したという。

 またギラード首相は、会談では中国で拘束または服役中の2人の豪州人、スターン・フー(Stern Hu)氏とマシュー・イン(Matthew Ng)氏の問題も取り上げたと述べた。この問題をめぐる温首相の返答については詳しく触れなかった。

 ギラード首相の中国訪問は初めて。中国はオーストラリア最大の貿易相手国だが、ギラード首相の初めての訪問は、中国当局がここ数年で最も厳しい反体制派の取り締まりを行っている中で行われることになった。

 日本、韓国に続いて中国を訪問したギラード首相は、27日に胡錦濤(Hu Jintao)国家主席と会談し、その後帰国の途に就く。(c)AFP/Allison Jackson