【4月6日 AFP】中国を代表する現代芸術家で、北京五輪のメインスタジアムの設計にも携わったアイ・ウェイウェイ(艾未未、Ai Weiwei)氏が拘束されたことについて、オーストラリア外務省報道官は5日、懸念を表明した。

 アイ氏は、3日に北京(Beijing)の空港で国際線に乗ろうとしていたところを当局に拘束され、その後の消息が分からなくなっている。米国、フランス、ドイツ、英国は、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)などとともにアイ氏の釈放を要求し、アイ氏の身に起きたことに対する怒りと懸念を表明していた。

 中国への輸出に大きく依存するオーストラリアは、人権問題や政治犯の拘束について度々中国を非難してきたが、これまでアイ氏の拘束については慎重な姿勢を示していた。

 主要貿易相手国である中国とオーストラリアは両国のいっそうの関係強化を目指し、5日夜に中国ナンバー4の賈慶林(Jia Qinglin)氏がオーストラリアを訪問する。賈氏は6日間の日程でジュリア・ギラード(Julia Gillard)首相、ケビン・ラッド(Kevin Rudd)外相と会談する予定で、さらに1週間後にはギラード首相が首相就任後初めて訪中する予定となっている。

 中国では、アラブ世界を揺るがす反体制デモに触発され、インターネットで日曜日ごとの抗議行動を呼びかける動きが活発化している。中国当局はここ数週間、反体制活動家や人権活動家らの取り締まりを強めていた。アイ氏の拘束もその一環とみられる。(c)AFP

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