【9月28日 AFP】ロシア大統領府は28日、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領がモスクワ(Moscow)のユーリー・ルシコフ(Yury Luzhkov)市長(74)を大統領令で解任したと発表した。「ロシア大統領の信頼を失ったため」としている。

 ウラジーミル・レシン(Vladimir Resin)第1副市長が市長臨時代理に任命された。

 大統領府は、モスクワが森林火災による深刻なスモッグ被害に見舞われていた8月に休暇を取ったルシコフ氏を公然と非難し、地元テレビは今月、同氏の活動を批判するドキュメンタリー番組を繰り返し放映してきた。

 1992年の市長就任以来、ルシコフ氏には建設会社社長でロシア屈指の富豪でもある夫人の事業に関連した汚職の疑惑がつきまとっていた。モスクワの歴史的建造物を破壊し、環境保全活動家から激しい非難を浴びたこともある。同氏は27日、テレビで、市長を自発的に辞任するつもりはないと述べていた。

 大統領府は最近、地方の人事刷新に取り組んでおり、在職期間の長い知事多数から提出された辞表を受理した。ロシアでは2005年から連邦を構成する州や共和国などの首長は大統領が任命する制度になっている。(c)AFP