【8月31日 AFP】石打ちによる死刑を宣告されたイラン女性の救済を呼びかけているカーラ・ブルーニ(Carla Bruni)仏大統領夫人を、イランのメディアが「売春婦」などと呼んで非難している。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領の3度目の結婚相手であるブルーニさんは、イランで姦通罪で石打ちによる死刑を宣告された2児の母、サキネ・モハマディ・アシュティアニ(Sakineh Mohammadi-Ashtiani)死刑囚(43)の救済を求める署名運動を始めたが、これがイラン強硬派メディアの怒りをかった。

 保守系の日刊紙ケイハン(Kayhan)は28日、「フランスの売春婦、人権問題で大騒ぎ」と題した記事で、仏女優イザベル・アジャーニ(Isabelle Adjani)さんとともにアシュティアニさんの擁護運動を続けるブルーニさんについて、「歌手で堕落した女優で、別の歌手との不倫が伝えられたこともあるブルーニは、サルコジ家を壊してフランス大統領との結婚に成功し、いまやサキネ・モハマディの判決は不公正だったと言っている」と伝えた。

 ニュースサイト「www.inn.ir」はブルーニさんを「夫を欺く女」と評し、「なぜこのふしだらな女が、姦通を犯し夫の殺害犯の共謀者であるイラン女性を擁護したがるのか、彼女(ブルーニさん)の過去をみれば明白だ」と批判した。

 アシュティアニさんに下された判決については世界中で反対活動が起きている。イラン政府は28日、アシュティアニさんの刑の執行は、まだ最終的に決まっていないとのコメントを発表している。(c)AFP

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