【7月9日 AFP】在英イラン大使館は9日、イランの司法当局筋による情報として、姦通罪により死刑を宣告されたイラン人女性(43)に対する石打ち刑を中止するとの声明を発表した。英紙タイムズ(Times)が報じた。

 しかし声明では、女性の死刑執行が中止されるのか、それとも絞首刑で執行されるのかについては言及していない。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、このイラン人女性は2006年または07年に99回の鞭打ちを受けた後に有罪と宣告され、石打ちによる死刑が言い渡されたが、執行日が迫るなか英米を中心に国際世論で激しい非難が巻き起こっている。

 英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相は8日、むち打ち刑は「中世同然」で世界を「嫌悪感と驚がくに陥れる」ものだと発言、米国務省のマーク・トナー(Mark Toner)報道官も「投石による死刑は拷問に等しく、野蛮でおぞましい行為だ」と述べ、相次いで強烈な批判をあらわにした。

 また、タイムズが掲載したこの女性の死刑中止を求める署名運動には、政治家から俳優など著名人までが名を連ね、イラン政府に「不正な判決を覆し、再審議するよう」求めている。(c)AFP