【11月16日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は16日、アジア歴訪で3番目の訪問国となった中国・上海(Shanghai)の上海科学技術館(Museum of Science and Technology in Shanghai)で中国の学生たちとの対話集会に出席し、米中は敵対すべきではないと強調した。オバマ大統領は今回の訪中で、米中間の緊張を払しょくしようとしている。

 オバマ大統領は、中国の若者たちに自分のメッセージを直接伝える機会として対話集会に臨み、人権問題から台湾、バスケットボールの姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)選手まで、幅広い話題で学生らに語りかけた。

 質疑応答前の演説で、オバマ大統領は「米中は敵対する関係だとの認識は、運命付けられたものではない」と強調した。中国は「壮大な国家だ」とたたえ、米中間の良好な関係によって、世界はより豊かで平和になるだろうと述べた。

 中国に譲歩しようとして人権問題を軽視していると非難されてきたオバマ大統領だが、学生らに「米国や中国などあらゆる国々で、少数民族や宗教的少数派も含めたすべての人間に与えられるべきものだ」として、あらゆる場所での政治的発言、信教の自由、情報の自由といった「普遍的権利」の順守を呼び掛け、「米国も完ぺきとは言えないが」と付け加えた。

 対話集会の様子はインターネットで中継された。

(c)AFP/Stephen Collinson