【10月19日 AFP】8月20日に投票が行われたアフガニスタン大統領選の不正調査を続けてきた不服審査委員会 (Electoral Complaints CommissionECC)は、19日に提出した調査報告書のなかで、独立選挙委員会(Independent Election CommissionIEC)に対し、210か所の投票所で投じられた票を無効にするよう求めた。

 報告書は全国におよぶこれらの投票所では、不正が行われた「明確で確信できる証拠」があると非難した。

 ECCの報告書により、独立選挙委員会は、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)現大統領と、2位のアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相による決戦投票の実施を余儀なくされそうだ。

 また報告書では、ECCによる決定と要請は「最終的なもので拘束力がある」とし、IECには最終結果を発表する前に、ECCの報告に従った措置をすべて実施する責任があると明言された。

 不正の証拠の例としては、回収された投票用紙の半分、あるいは全投票用紙でつけられたマークが同じだった投票所や、投票用紙の大半、またはすべての投票用紙がまったく折りたたまれていなかったり、100票以上に同じ形とみられるマークが書き込まれている投票所もあった。

 このほか、女性の有権者の投票数が多かったり、投票結果が投票箱の中身と一致しなかったり、提出された選挙結果書類に選管委員の署名がなかった場合には、投票数が実際よりも少なく数えられていた。

 ECCの報告書には複雑な計算が含まれているが、カルザイ氏の得票率は、今回の計算結果で50%以下まで減るだろうと以前からみられていた。
 
 ある西側外交官はカルザイ氏の得票率が48%まで落ち込むとの見方を支持していたが、ECCは数字については明らかにしなかった。(c)AFP