【8月22日 AFP】1988年に英スコットランド(Scotland)のロッカビー(Lockerbie)上空で発生したパンアメリカン(Pan Am)航空103便爆破事件のリビア人受刑者をスコットランド当局が釈放したことについて、リビア最高指導者のムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の息子が、英国が石油や天然ガスの貿易上の見返りと引き替えに釈放に関与したと語ったことを受けて、英国政府は22日、この問題に対する説明をすべきとの強い圧力にさらされている。

 釈放後リビアに帰国したアブデルバセト・アル・メグラヒ(Abdelbaset Ali Mohmet Al-Megrahi)元受刑者がカダフィ大佐と面会する様子がテレビで放映されるなか、カダフィ大佐の息子、サイフ・アルイスラム(Seif al-Islam)氏は、スコットランドの刑務所からの釈放は、英国との石油や天然ガスの貿易をめぐる協議の中で出てきたと語った。

 英国政府はカダフィ大佐の息子の発言を全面的に否定したものの、野党は反発しており、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相には「答えてもらわなければならない重要な質問がある」と主張している。

 カダフィ大佐の息子は、メグラヒ氏が、長らく貿易交渉の一部として協議されていたと述べ、「英国との石油や天然ガスをめぐる全ての商業契約において、(メグラヒ氏の釈放問題が)常に交渉のテーブル上にあった」と語った。(c)AFP/Guy Jackson