【6月23日 AFP】中曽根弘文(Hirofumi Nakasone)外相は22日、日本が領海の範囲を決める際に、核兵器を搭載した米軍艦船の通過を容易にする配慮があったと外務次官経験者が証言したとする報道を否定した。

 1977年に施行された領海法で、日本の領海幅は12カイリまで拡張できるとされたが、5つの重要海峡については領海幅を3カイリにとどめた。

 これについて、共同通信(Kyodo News)は、複数の外務次官経験者の話として、米国の核搭載艦船がこれらの5海峡を通過する際、核艦船に公海部分を航行させ、核の日本領海通過問題を回避する意向が働いたためだと報じた。

 この5海峡は、当時のソ連、中国、北朝鮮の脅威に対する海上での抑止作戦を実施する際に、米核艦船が必ず通過することになるという。

 しかし、中曽根外相は22日の定例記者会見で、領海幅を3カイリとしたのは、外国船舶の自由な航行を保障する目的であり、軍事的な観点はなかったと述べて報道を否定した。(c)AFP