【9月1日 AFP】(一部更新)福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は1日夜、辞任を発表した。

 福田首相は同日夜、首相官邸で緊急記者会見を開き、1年の任期について、国会運営において野党との駆け引きで困難が多かったと振り返り「新しい布陣の下で臨時国会に臨むべきと考え、辞任を決意した」と述べた。

 首相は会見ではただちに国会を解散するとは述べず、自民党の総裁選による新政権選びに新態勢づくりを託した。解散がなければ、総選挙は09年9月まで行われない。

 福田首相の後継としては、よりカリスマ性があり、またより保守的なことで知られる前外相、麻生太郎(Taro Aso)自民党幹事長が筆頭に挙げられる。

 首相は辞意を決断した理由について、国会運営の困難を挙げた。民主党は前年の参院選で過半数を占めて以来、「ねじれ国会」で与党法案に積極的に対抗してきた。福田氏は、すべての法案について民主党に反対され「何を決めるにもとにかく時間がかかった。国民に迷惑かからないよう、今度開かれる国会でそのようなことが起こってはならない」と述べた。

 自民党は1955年の結党以来、10か月を除いた全期間、日本の政権を担ってきた。福田政権も来年9月まで議会解散、総選挙を行う必要はなく、野党も次期総選挙での政権奪取を目指していた。

 福田首相は前年9月、参院選で惨敗した自民党再建を託されて就任。しかしまず、多数の高齢者の保険負担を拡大した後期高齢者医療制度の施行に対する大きな批判に直面した。

 前週29日には首相は、事業規模11兆7000億円の総合経済対策を発表していた。しかし経済専門家らの間では、長期計画としての有効性を疑問視する声もあった。

 7月には内閣改造を行ったが、1日に発表された世論調査での内閣支持率は前月よる9ポイント少ない29%だった。同じ調査で後継の首相としては、麻生幹事長が最も支持率が高かった。(c)AFP