【3月13日 AFP】中国の楊潔チ(Yang Jiechi)外相は12日、前日に発表された米国務省の人権報告書で中国の人権侵害が拡大していると批判されたことに関し、米国のダブルスタンダード(二重基準)に基づくものだと非難し、同報告書による批判をはねつけた。さらに、人権問題への批判が北京五輪に影響することはないと強調した。

 楊外相は、全国人民代表大会(全人代=国会)に合わせて行った記者会見で、「われわれは、冷戦時代の思考様式に固執した慣行に強く反対する。それは、イデオロギーで線引きをし、対立をあおり、ダブルスタンダードを振りかざすといったことだ。さらに、人権の名の下で中国に内政干渉することも同様だ」と語った。

 米国務省が11日に発表した、2007年の世界各国の人権状況に関する年次報告書では、中国は世界最悪の人権侵害国からは除外されたものの、人権状況は「依然として悪い」とされている。また、チベット(Tibet)自治区の仏教徒や新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のイスラム教徒らへの、宗教の自由に対する厳しい抑圧も指摘されている。

 同報告書の05年と06年版では、中国は世界最悪の人権侵害国の1つだと指摘されていた。(c)AFP/Charles Whelan