【1月1日 AFP】英経済紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は12月31日、2008年の予想を発表した。

■米大統領選

 米国については、11月の大統領選でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員が当選に「最も近い」とみており、「現政権があまりにも不人気なので、番狂わせがない限り民主党候補が選挙に勝つだろう」と予測。

 バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員が追い上げていることは認めているが、「民主党候補の中でヒラリー候補の支持は大きく揺るぎない。それを覆すのはオバマ候補でも難しいだろう」と結論づけている。

■世界経済

 世界経済については、07年米国のサブプライム問題に端を発した信用収縮が08年も続き、「影響がさらに広がるかどうかは不透明だ」と述べている。

 米経済については、08年前半は不況ぎりぎりの状態が続くが、危機的状況は回避できると予想している。しかしすぐに回復することはなく、低成長が長期的に続く。この帰還にさらに経済的な打撃が発生すれば、大きな被害を受けることになるとみている。

■2人の「独裁者」の運命は?

 ロシアでは、3月に大統領の任期を満了するウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、議会の承認を得て首相に就任するとの見通しから、「実権」を維持することになると指摘。だがロシア政府では大統領と首相の権限が分担されていることから、「独裁者にはなれない」としている。

 パキスタンでは、07年末に発生した野党党首ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相の死亡事件の影響で、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領にとって今年は最悪の年になると予測している。

 大統領のイメージが失墜し反発を呼んでいることから、米国とパキスタン軍部内のムシャラフ支持者は、今後の支持を取り下げる可能性がある。政情が悪化することは避けがたく、08年末までムシャラフ氏が大統領に留任できる可能性は五分五分だという。

■五輪控えた中国は

 中国は人民元切り上げの圧力に屈しないだろうとの見方を示している。それよりも注目を集めると予測されるのは北京五輪だ。期待が高まっていることから「単に『過去最高』では十分ではない。完ぺきでなければ期待はずれに終わるだろう」と指摘している。(c)AFP