【4月5日 AFP】イスラム教の聖地メッカ(Mecca)の約200か所のモスク(イスラム教礼拝所)が正しく建造されていなかったため、それらのモスクを利用する礼拝者らが、数十年にわたって間違った方角に向かって礼拝していたことが明らかになった。サウジアラビアのサウジ・ガゼット紙が5日伝えた。

 サウジ・ガゼットによると、これらのモスクは、メッカの聖モスク(Haram Grand Mosque)のカーバ(Kaaba)神殿の正式な位置を示す「キブラ(qibla)」に対して正確に建造されていなかった。

 世界中のイスラム教徒は、毎日の礼拝をカーバ神殿に向かって行わなければならないため、世界中の全てのモスクがその方角に向けて建設されているか、またはモスク内に方角を示す標識が設置されている。

 方角の間違いは、メッカ市内に新たに建設された高層ビルの上から、50年以上前に建設されたモスクなどを眺めることができるようになってから発覚したという。

 サウジ・ガゼット紙によると、メッカ市民や専門家は、間違った方角を向いているモスクについては、内部に正確な方角を示す標識を設置するか、礼拝用の敷物を正しい位置に合わせることを提案している。また、尖塔(せんとう)からレーザー光線を発光し、正確なキブラの方角を礼拝者に知らせるという案まで出ているという。(c)AFP