【12月14日 AFP】ノルウェーのロアール・アムンゼン(Roald Amundsen)隊が人類で初めて南極点に到達してから、14日で100年を迎えるのを記念して、多くの探検家らが続々と南極点を目指している。彼らを出迎えるため、ノルウェーのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)首相も13日、南極点に到着した。

 アムンゼン隊は犬ぞりとスキーで南極点に初到達した。探検家の中には、アムンゼン隊と同じルートをたどって南極点に向かう人々もいるが、ストルテンベルグ首相は空路で向かった。南極点に立つ国家元首は、2007年にニュージーランドのヘレン・クラーク(Helen Clark)首相(当時)に次いで史上2人目。

 ノルウェー極地研究所(Norwegian Polar Institute)によると、12月中に12件のノルウェー南極探検が行われる予定だという。

■ライバルのスコット隊追悼も

 14日前後には、アムンゼン氏との南極到達レースに僅差で敗北し、帰路半ばで非業の死をとげた英海軍軍人、ロバート・スコット(Robert Scott)氏の勇敢さをたたえようと、英国の探検家たちも南極を訪問するとみられる。

 スコット隊は犬ぞりではなく馬を使って南極を目指したが、わずかの差でアムンゼン隊に先を越され、帰路に猛吹雪に遭って全員が死亡した。

■「ノーマンズ・ランド」=誰の者でもない土地

 1959年に採択された南極条約では、南極に対する領有権の主張は禁じられており、南極に各国の政府要人が訪れることはまれ。また法域がないことから、南極を訪れている探検家たちの出身地や人数を把握することは困難となっている。

 だが、アムンゼン隊の記録樹立に貢献した「犬ぞり」を使って南極点に向かう探検家が、現在はいないことは確かだ。南極大陸への犬の持ち込みは、新たな病原菌の持ち込みを防止するために1990年代に禁止されている。(c)AFP