【12月12日 AFP】プロゴルフ活動休止宣言をしたタイガー・ウッズ(Tiger Woods)の不倫騒動の発端となった自動車事故の当時、車内にあったあまり知られていない英科学者の本が突如、売れ行きを増している。著者のジョン・グリビン(John Gribbin)博士が10日、語った。

 ウッズは前月末、米フロリダ(Florid)州の自宅前で、道路わきの消火栓と木に衝突したが、事故後撮影されたウッズの車内に写っていたのが、グリビン博士の著書『Get a Grip on Physics、物理学をグリップ(理解)しよう』。

 ウッズ事故のニュースとともに世界中のメディアがこの写真を取り上げると、米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)でのこの本の売り上げランキングは、39万6224位から一気に2268位まで急上昇した。

 グリビン博士は英イングランド南部にあるサセックス大学(University of Sussex)で教べんをとる天文学者。この本は絶版状態だったが、注目を浴びたことでインターネット上の古書売買の売り上げも伸びた。

 グリビン博士はAFPの取材に「本が知られたのはありがたいことだが、増刷されてないのはなんとも残念。在庫は数百冊しかなかったから、2、3日のうちになくなってしまった」と答えた。米インターネット競売大手イーベイ(eBay)に「自分で出品する分さえもない」と残念がっている。

 中古価格では75ドル(約6700円)ほどで取引されているが、中古本では著作権料はグリビン氏に入ってこない。

 本の内容はクォーク物理学やストリング理論といった、20世紀後半に登場した新たな物理学を紹介するものだという。(c)AFP