【3月18日 AFP】英国の航空関連の監視団体「Air Transport Users CouncilAUC)」は17日、航空業界内の統計を基に、2007年に全世界で取り扱いミスにあった航空手荷物の個数が過去最高の4200万に上り、うち100万以上の荷物が発見不能になっていると発表した。

 AUCによると、航空会社が手荷物を紛失した際に、所有者がその荷物の中に入っていた品物などのレシートを持っていないと、「非常に多くの場合」十分に補償してもらえてないとしている。

 航空便の年間利用者数は今後10年で倍増するとされているが、AUCは、航空会社が取り扱いミスする手荷物の数は2019年までには7000万にも上る可能性があると警告している。

 07年に取り扱いミスにあった手荷物の個数は4200万に上っており、06年の3400万、05年の3000万から年々増加している。また、07年には120万の荷物が「発見不能の紛失」になっているという。

 AUCに届いた苦情によると、アイルランドの格安航空会社ライアンエア(Ryanair)は「(荷物の)遅れの長さにかかわらず、乗客への補償金を15ポンド(約2100円)に制限している」という。一方、格安航空会社Jet2は、「30ポンド(約4200円)以下の損害については補償金の支払いを拒否している」という。

 AUC関係者は、いくつかの航空会社は手荷物の扱いを向上させるためにどんな苦労も惜しまないところもあるが、多くの会社は手荷物を積み忘れた場合の乗客への補償の改善に取り組む必要があると指摘した。(c)AFP