【3月22日 AFP】チベット(Tibet)自治区での暴動発生で中国当局が外国人旅行者の自治区内立ち入りを制限する中、世界最高峰エベレスト(Mount Everest、チョモランマ)の中国側(北稜)からの登山計画に中止が相次いでいる。

 ニュージーランド出身のベテラン登山家でヒマラヤ登山のコーディネーターを務めるラッセル・ブライス(Russell Brice)氏は、中国側から登頂を目指していた16人の登山計画を中止したとAFPに語った。同氏によると、全員すでに数万ドルの費用を支払い済みで、休暇を取得し訓練を積んでいる状態だった。

 またブライス氏は、当局の許可が下りていないとして自分の登山計画も3日前に中止した。

 他の登山隊も計画を中止したり、ネパール側(南稜)からのルートに変更したりしているという。

 中国は北京五輪の聖火リレーで5月初旬にエベレストを登頂するコースを設定、チベット独立運動を警戒して外国人入山者を厳しく調べると発表している。北稜ルートでのエベレスト登頂を計画するコーディネーターらは、この数か月間、エベレストの山開き自体が行われるかどうか懸念している。(c)AFP/Sam Taylor