【1月7日 AFP】2009年の世界の違法薬物使用者は1億4900万~2億7100万人だったと推定する論文が6日の英医学誌「ランセット(Lancet)」に発表された。

 内訳は大麻が1億2500万~2億300万人、オピオイド類(ヘロインやモルヒネなど)、アンフェタミン類、コカインが合わせて1500万~3900万人、注射器を使用した人が1100万~2100万人となっている。

 国連薬物犯罪事務所(UNODC)、各国の調査、薬物使用の影響に関する論文のデータから推計した。エクスタシーやLSDなどの合成麻薬や、処方薬やアナボリックステロイド(筋肉増強剤)の医療目的以外の使用はこの推計に含まれていない。

 この論文によると、違法薬物の使用率は先進国や違法薬物を生産する貧困国で高く、心身の健康に大きな負担になっているという。

 論文は、大麻は依存症や精神疾患に関係している反面、大麻によって死亡率が大幅に上昇したとは言えないようだとした一方、違法オピオイド類の過剰摂取や依存症で死亡する例は多いと指摘。さらに注射器を使いまわすとHIVや肝炎ウイルスに感染する危険があると警告した。(c)AFP