【9月28日 AFP】65~69歳の女性が股関節を骨折した場合、1年以内に死亡するリスクは健康な同世代の女性に比べて5倍高くなるとする論文が26日、米国医師会(American Medical Association)の内科専門誌「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン(Archives of Internal Medicine)」に発表された。同様のリスクは、70~79歳の女性では2倍、80歳以上の女性では3倍だった。
 
 米国立衛生研究所(National Institutes of Health)の資金援助を受けたこの研究は、骨粗しょう症性骨折の追跡調査のため米4都市で1986~88年に登録した女性約1万人のデータを基に行われた。追跡期間の20年間に股関節を骨折した1116人のデータを股関節骨折のない4464人のデータと年齢別に比較したところ、上記のような結果が得られた。

 なお、股関節骨折後1年以内に死亡した女性の半数以上は3か月以内に、約75%は6か月以内に死亡していた。

 論文執筆者の1人、カイザーパーマネント健康調査センター(Kaiser Permanente Center for Health Research)のテレサ・ヒリア(Teresa Hillier)上級調査員は、以上の結果は股関節骨折そのものが女性の健康を大きく悪化させていることを示唆していると話した。

 米国の骨粗しょう症財団によると、50歳以上の女性の約半数が骨粗しょう症による骨折を経験している。国際骨粗しょう症財団(International Osteoporosis Foundation)は、股関節の骨折は世界で年間160万例にのぼっていると発表している。(c)AFP